「ルンバ870(Roomba 870)」は、米iRobot社が製造、日本総代理店のセールス・オンデマンド社が販売するロボット掃除機です。
国内正規品「ルンバ800シリーズ」のスタンダードモデル。「ライトハウス機能」が省略されており一部の付属品が異なりますが、基本的な掃除性能は上位機種「ルンバ880」と同じです。世界に先駆けて発表された日本先行発売商品です。
「アイロボット ルンバ870」の実売価格は63,000円前後です。
製品情報
iRobot Roomba ロボット掃除機 ルンバ870 ピューターグレー 870 【日本仕様正規品】
「ルンバ870」は、2014年3月1日(土)に日本で発売された国内正規品「ルンバ800シリーズ(ルンバ880・ルンバ870・ルンバ871)」のスタンダードモデルです。
正規代理店のセールス・オンデマンド株式会社(本社:東京都新宿区)が取り扱う日本仕様ルンバは「ルンバ800シリーズ」「ルンバ700シリーズ(ルンバ780・ルンバ770・ルンバ760)」「ルンバ600シリーズ(ルンバ630・ルンバ620)」の3シリーズとなり、それぞれがハイグレード・スタンダード・エントリーと位置付けられています(2014年3月現在)
付属品は「バッテリー(内蔵)」「ホームベース(充電台)」「オートバーチャルウォール(2個)」「交換用ダストカットフィルター(2個)」「リモナビ(リモコン)」「電源コード」の6点となります。
上位機種「アイロボット ルンバ880」との違いは「ライトハウス機能の有無」「付属品」「ボディカラー」「価格」です。
まず「ライトハウス機能」ですが、簡単に説明すると「複数の部屋を順番に掃除する機能」となります。この機能が「ルンバ870」には搭載されていません。サイトによっては「ルンバ880とルンバ870の違いは付属品とカラーのみ」と説明しているところがありますが、「ルンバ870」はライトハウスモード用の基板を内蔵していないため、別売り品の「お部屋ナビ」を後から追加したとしても「ライトハウス機能」を使えるようにはなりません。
また「ルンバ870」にはライトハウス機能がないので、付属の仮想フェンス発生装置が「お部屋ナビ」ではなく「オートバーチャルウォール」というタイプとなっています。これは「お部屋ナビ」のルンバを各部屋に誘導する機能(ライトハウスモード機能)が省略されており、赤外線の見えない壁を作ってルンバの進入を防ぐ仮想フェンス発生機能のみとなっています。
この他に「ルンバ880」に付属する「エッジクリーニングブラシ(2個)」が「ルンバ870」では省略されています。ボディカラーはメタリックな質感の「ピューターグレー(Pewter Gray)」です。アイロボット公式ストアでの販売価格は、「ルンバ880」が税別76,000円、「ルンバ870」が税別66,477円であり、標準価格における価格差は9,523円になります。
上記で挙げた内容以外は「ルンバ870」と「ルンバ880」に大きな違いはありません。どちらも「自動充電機能」と「スケジュール機能(タイマー機能)」を備えています。
掃除のアルゴリズムも従来品と同じ「人工知能+パターン型」を採用しています。数十種類のセンサーで部屋の情報を収集。高速応答プロセス「iAdapt(アイ・アダプト)」が毎秒60回以上の状況判断を行い、40種類以上の行動パターンから適切な動作を実行します。
現行機種「ルンバ700シリーズ」との違いを比較すると「集塵方式(吸引機構)」「バッテリー」「ダストカップ」「フィルター」「重量」「付属品」が異なります。
まず集じん方式については、完全新設計の「AeroForce(エアロフォース)クリーニングシステム」を搭載しています。これは「AeroForce(エアロフォース)エクストラクター」「真空エアフロー構造」「ハイパワーモーターユニット」で構成されています。
順番に説明すると「エアロフォースエクストラクター」とは新形状の「床ブラシ」のことです。従来品のルンバは「メインブラシ」と「フレキシブルブラシ」の2種類の床ブラシを搭載していました。フレキシブルブラシはゴムベラ型ですが、メインブラシは一般的な掃除機にも使われる「毛ブラシ」であり、掃除中に髪の毛やペットの毛が絡みつく欠点がありました。
そのため従来品のルンバには「お手入れリング」「お手入れカッター」が付属しており、時々フレキシブルブラシに絡んだ毛を除去する作業が必要でした。しかし新開発の「エアロフォースエクストラクター」はゴム状の特殊素材を採用しており、髪の毛・ペットの毛が絡まりにくくお手入れの手間を大幅に軽減しています。またリングとカッターも不要になりました。
次に「真空エアフロー構造」ですが、2本の「エアロフォースエクストラクター」同士の隙間と床面との間を狭くすることにより、密閉度を高めて真空状態を作り出し吸引力を高めています。また「ハイパワーモーターユニット」もモーター自体の小型化とブレード形状の見直しにより、従来比で5倍となる吸引力の向上に貢献しています。
「バッテリー」は従来品と同じ「充電式ニッケル水素電池」です。しかし「XLife(エックスライフ)バッテリー」と呼ばれる長寿命タイプとなり、バッテリー寿命が約1.5年から約3年に倍増しています(1日60分、週4回使用した場合)
「ダストカップ(ダスト容器)」の構造も改良されています。従来品はダストカップを外すとフタが開いた状態でしたが、新型ダストボックスはフタが閉じておりゴミがこぼれません。フタが開く方向も横方向から縦方向に変更されました。また容量も従来品の1.6倍となる0.6リットルを実現しています。
「フィルター」は従来品と同様の「ダストカットフィルター」です。0.3マイクロメートルのハウスダストを90パーセント以上キャッチします。しかしルンバ700シリーズのダストカットフィルターは除去率99パーセント以上でしたので、若干性能が落ちたことになります。また排気を上方に出すことでゴミを巻上げないよう改良されました。
「重量」に関しては、ルンバ700シリーズが約3.85キロだったのに対して、ルンバ800シリーズは約3.8キロになり50グラム軽量化されています。また「付属品」については「ホームベース(充電器)」がACアダプターと一体化され省スペースを実現しています。
この他のトピックとして「ルンバ780」で採用された「タッチパネル」ではなくボタン式のパネルを搭載しています。また「エッジクリーニングブラシ」はコインで交換できるようネジが改良されドライバー等の工具が不要になりました。
主要機能一覧
※メーカーにより機能の名称は異なります。
※機能の詳しい解説は「お掃除ロボットの主な機能について」をご覧下さい。
人工知能 | ◯ | ゴミ検知機能 | ◯ |
---|---|---|---|
サイドブラシ | ◯ | 拭き掃除機能 | × |
床ブラシ | ◯ | 自動充電機能 | ◯ |
バキューム機能 | ◯ | スケジュール機能 | ◯ |
衝突防止機能 | × | バーチャルウォール機能 | ◯ |
落下防止機能 | ◯ | ライトハウス機能 | × |
からまり防止機能 | ◯ | リモコン操作機能 | ◯ |
製品仕様
発売年月 | 2014年3月 |
---|---|
メーカー | アイロボット |
型番 | R870060(ピューターグレー) JANコード:0885155004697 |
本体寸法 | 幅35.3センチ*奥行き35.3センチ*高さ9.2センチ |
本体質量 | 約3.8キロ(バッテリー含む) |
電源 | 入力:AC100V 50/60Hz |
バッテリー種類 | 充電式ニッケル水素バッテリー |
バッテリー容量 | – |
バッテリー寿命 | 約3年(週4回、1日60分使用した場合) |
充電時間 | 約3時間 |
消費電力 | 33W(充電時) |
稼働時間 | 最大60分 |
掃除面積 | 最大25畳 |
運転音 | – |
集塵容積 | 0.6リットル |
フィルター | ダストカットフィルター |
乗り越え能力 | 約2センチ |