「シー・シー・ピー ラクリート CZ-860(CCP LAQULITO CZ-860)」は、株式会社シー・シー・ピーが販売する自動ロボット掃除機「LAQULITO(ラクリート)」シリーズのエントリーモデルです。縦置きできる充電スタンド、1万円台の低価格が特長です。
「ラクリート CZ-860」の実売価格は10,000円前後です。
目次
製品情報
CCP 【LAQULITO】 自動ロボット掃除機(エントリーモデル) レッドブラック CZ-860-RB
発売元のシー・シー・ピーは、以前まで「SO-Zi(ソージー)」というロボット掃除機を販売していました。その後継製品として2011年に発売されたのが、新ブランド「LAQULITO(ラクリート)」シリーズです。ブランド名の「Laqulito」とは、日本語の「楽(らく)」とイタリア語で“きれいになる”という意味の「Pulito」という単語を組み合わせた造語だそうです。
ラクリートシリーズの製品には3種類のグレードがあり、それぞれ機能と価格が異なります。こちらで紹介している「ラクリート CZ-860」はエントリーモデルという位置付けで、実売価格1万円以下という思い切った価格設定で販売されています。
機能は非常にシンプルで、電源を入れると2つの回転ブラシでゴミをかき集めてバキューム方式で吸い込みます。掃除のアルゴリズムは、「スパイラル・ランダム・壁伝い」を自動選択する「パターン型」です。また高さ10センチ以上の段差(階段・玄関など)を検知する「落下防止機能」を搭載しています。
上位モデル(ラクリート CZ-907・ラクリート CZ-905)に採用された自動充電機能、タイマー機能はありません。充電する時は、ユーザーが自分で充電スタンドにセットする必要があります。
本体の他に、充電スタンド(1個)、充電式バッテリー(1個)、回転ブラシ(2個)、ACアダプター(1個)、取扱説明書が付属します。また消耗品として、充電式バッテリー、回転ブラシ(2個入り)、モップシート(30枚入り)、ダストケースフィルター、ダストケース(ぶた付き)が別売りされています。
ちなみに家電量販店の「コジマ」では、コジマオリジナルの限定カラーモデルとして、メローブラウン(CZ-860-MB)、アクアブルー(CZ-860-AB)、シャモアピンク(CZ-860-CP)が販売されています。また「エディオン」でもブラックカラーの限定モデル(CZ-860-E9B)が販売されています。
さらにネット通販の「アマゾン」では「amazon.co.jp限定」として、カフェオレ(CZ-860-CL)、ダークブルー(CZ-860-BU)、ホワイト(CZ-860-WH)が発売される予定です。
レビュー・評価
長所
「ラクリート CZ-860」の長所は販売価格です。市場価格が約1万円ときわめて安価なため、ルンバやスマーボ等のハイグレードなロボット掃除機と比較して気軽に購入しやすいと思います。残念ながら自動充電機能は搭載されていませんが、スタイリッシュなデザインの縦置き型充電スタンドが用意されており、本体もコンパクトなので場所を取らず置き場所にも困らないと思います。
「ラクリート CZ-860」の発売元である株式会社シー・シー・ピーは、玩具大手の株式会社バンダイが100%出資するグループ企業のため、他の安価なロボット掃除機よりもサポート面について期待できると思います。
短所
「ラクリート CZ-860」には、ハイグレードなロボット掃除機に必ず装備されている「床ブラシ」がなく、サイドブラシでかき集めたゴミをバキューム方式で吸引するだけなので、掃除能力はやや劣っています。自動充電機能やタイマー機能などの基本的な機能も省かれているので、必要最小限の機能しか搭載されていないことを考慮する必要があります。
掃除パターンも「スパイラル」・「ランダム」・「壁づたい」の3パターンしかなく、高度なアルゴリズムを搭載する製品に比べて効率が悪いことは否めません。ロボット掃除機の移動範囲を制限する「バーチャルウォール機能」も無いので、スイッチを入れる前に掃除をさせたくない場所の周りをブロックする手間がかかります。
また「ラクリート CZ-860」の充電池は“メモリー効果”が起きやすいニッカドバッテリーです。メモリー効果とは、十分に放電し切らないうちに再充電を繰り返すと、容量が減少してしまう(ように見える)現象のことです。対策としては、「ラクリート CZ-860」を止まるまで運転させてからフル充電することで、メモリー現象の発生を抑えることができます。
ロボットクリーナーミニ AIM-ROBO2との比較
同じ価格帯の製品としてはツカモトエイムのロボットクリーナーシリーズがありますが、どちらも中国製で本体下部のデザインがほぼ同一という点から、「ラクリート CZ-860」は「ロボットクリーナーミニ AIM-ROBO2」と製造元が同じと推測されます。
デザインに関してはラクリートのほうがスタイリッシュでデザイン家電的です。また「ラクリート CZ-860」はサイドブラシを2個搭載しているので、サイドブラシが1個だけのツカモトエイムよりも壁際や部屋の隅を掃除しやすいと思います。
ルンバ620との比較
「ルンバ620」と「ラクリート CZ-860」の値段は3万円以上の開きがあります。どちらも見た目はよく似ているのに、なぜここまで値段の差があるのか疑問に思う人もいると思いますが、違いは外から見えない部分にあります。
ルンバには状況を判断する「人工知能」が搭載されていますがラクリートにはありません。実際に動かしてみるとルンバは少しずつ掃除する場所を変えて最終的に部屋全体がきれいになります。しかしラクリートの方は同じ場所ばかり掃除し続けることが見られ全く掃除しない場所も発生します。これはラクリートが同じ動きを単純に繰り返しているからであり、部屋の状況に合わせてパターンを変更するルンバと比べるのは不憫です。
またラクリートには床面のゴミをかきとる「床ブラシ」がなく吸引のみとなっています。一方、ルンバには床ブラシが2種類も搭載されていて床面に合わせて接触する高さまで変更します。掃除の仕上がりはフローリングではそれほど違いがありませんが、畳・絨毯・カーペットで結果を比べると顕著な差が見られます。
結論としては、5倍以上の価格差があるルンバとラクリートの性能を比較するのは無理があると思います。しかしラクリートにも有利な面があります。それは本体サイズがコンパクトなことです。ルンバより約7センチも直径が小さいので、狭い場所やイスの間にも入りやすいでしょう。ワンルームマンションのような限定された空間であれば、十分な清掃能力を発揮できそうです。またハイグレードなロボット掃除機と併用する使い方も考えられます。
主要機能一覧
※メーカーにより機能の名称は異なります。
※機能の詳しい解説は「お掃除ロボットの主な機能について」をご覧下さい。
人工知能 | × | ゴミ検知機能 | × |
---|---|---|---|
サイドブラシ | ◯ | 拭き掃除機能 | × |
床ブラシ | × | 自動充電機能 | × |
バキューム機能 | ◯ | スケジュール機能 | × |
衝突防止機能 | × | バーチャルウォール機能 | × |
落下防止機能 | ◯ | ライトハウス機能 | × |
からまり防止機能 | × | リモコン操作機能 | × |
製品仕様
発売年月 | 2011年11月 |
---|---|
メーカー | シー・シー・ピー |
型番 | CZ-860-RB(レッドブラック) CZ-860-MB(メローブラウン)※コジマ限定 CZ-860-AB(アクアブルー)※コジマ限定 CZ-860-CP(シャモアピンク)※コジマ限定 CZ-860-E9B(ブラック)※エディオン限定 CZ-860-CL(カフェオレ)※アマゾン限定 CZ-860-BU(ダークブルー)※アマゾン限定 CZ-860-WH(ホワイト)※アマゾン限定 |
本体寸法 | 幅27センチx奥行き27センチx高さ7.6センチ |
本体質量 | 約1.5キロ |
電源 | 入力:AC100V 50-60Hz、出力:DC18V |
バッテリー種類 | ニッカドバッテリー |
バッテリー容量 | 14.4V |
バッテリー寿命 | 約1年(約300回充電) |
充電時間 | 約4時間 |
消費電力 | 12W |
稼働時間 | 最大約50分 |
掃除面積 | 約15畳 |
運転音 | 約65dB |
集塵容積 | 約0.2リットル |
フィルター | – |
乗り越え能力 | 7.5ミリ |