こちらでは「お掃除ロボットのバッテリー(寿命・交換など)」について解説しています。
ロボット掃除機の大多数は充電式バッテリーを内蔵しており、充電を繰り返す形で使用します。現在ロボット掃除機で使われる充電池は「ニッケルカドミウム電池」「ニッケル水素電池」「リチウムイオン電池」の3種類です。
ちなみに「リチウムポリマー電池(LiPo)」や「リチウムフェライト電池(LiFe)」などの次世代バッテリーを採用している製品は現時点ではありません。
目次
バッテリーの種類
ニッケルカドミウム電池(Ni-Cd)
陽極は水酸化ニッケル、陰極はカドミウム、電解液は水酸化カリウムを使用する蓄電池のこと。歴史が長く低コストで生産できるメリットがありますが、自然放電とメモリー効果が弱点です。また有害物質のカドミニウムを使用するため、環境への影響も問題視されています。
※メモリー効果とは、バッテリーが放電しきらない状態で再充電を繰り返すと、見かけの容量が減ったように見える現象のことです。十分に放電させることで容量は回復します。
ニッカドバッテリーを使用するロボット掃除機
ニッケル水素電池(Ni-MH)
陽極はニッケル酸化物、陰極は水素吸蔵合金、電解液は水酸化カリウム液を使用する蓄電池のこと。ニッケルカドミウム電池の約2倍の容量を持ち、小型軽量で環境への影響も少ないのが特長。自然放電しやすく若干のメモリー効果が発生します。そのため多くのロボット掃除機は自然放電を防ぐために、使用しない時も充電ステーションで充電することが推奨されています。
ニッケル水素バッテリーを使用するロボット掃除機
- ルンバ(アイロボット)
- スマーボ VC-RB6000(東芝)
- ポロ(マミロボット)
- E-CLEAN(AGAiT)
- ロボクリーナー(ANABAS)
- ロボクリーナー(山善)
- ラクリート CZ-907(シー・シー・ピー)
- ラクリート CZ-905(シー・シー・ピー)
- ロボットクリーナー(ツカモトエイム)
- ロボットクリーナー(ニトリ)
リチウムイオン電池(Li-ion)
陽極はコバルト酸リチウム、陰極は炭素(グラファイト)を使用し、両極間をリチウムイオンが移動する形式の蓄電池。短時間の充電で長時間使用できるのが特長。メモリー効果や自然放電も抑えられておりカドミニウムのような有害物質も含みません。
リチウムイオンバッテリーを使用するロボット掃除機
- ココロボ(シャープ)
- スマーボV VC-RB8000(東芝)
- スマーボV VC-RB7000(東芝)
- ホームボット(LGエレクトロニクス)
- クレモン(モニュエル)
- コーボルトVR100(フォアベルク)
バッテリーの容量
充電式バッテリーの容量は「mAh(ミリアンペアアワー)」「Ah(アンペアアワー)」等の放電容量で表示されます(AhはmAhの1000倍)。Ahとは「電流(A)×時間(h)」の値であり、蓄積できる電気の量を表しています。例えばルンバのバッテリー(3000mAh=3.0Ah)は、3000mAの電流を1時間流せる量の電気を蓄えられます。
バッテリーの寿命
「ニッケルカドミウム電池」「ニッケル水素電池」「リチウムイオン電池」の中で最も寿命が長いのはリチウムイオン電池です。例えばルンバに使用されるニッケル水素電池の寿命は「1年~1年半」ですが、ココロボのリチウムイオン電池は「約3年」です。バッテリー交換の回数を減らしたい場合は、リチウムイオン電池を搭載するロボット掃除機を選びましょう。
バッテリーの交換方法
お掃除ロボットには、バッテリーを「自分で交換できるロボット掃除機」と「自分で交換できないロボット掃除機」があります。
最もユーザーが多いルンバは、別売品の交換用バッテリーを購入して自分で交換出来ます。一方ココロボ、スマーボ、ホームボットは、ユーザー自身によるバッテリー交換ができません。交換する時は販売店またはメーカーのサービス窓口に依頼する必要があります。費用もバッテリー代の他に工賃が含まれるため、若干高めに設定されています。
数年に一度とはいえ、バッテリー交換のたびにロボット掃除機を梱包して郵送したり、サービスセンターに持ち込んだりするのは面倒です。当然バッテリー交換作業の間はロボット掃除機を使うことができません。バッテリーを自分で交換したい人は、別売バッテリーが販売されているか事前にチェックしたほうが良いでしょう。