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《2012年は“ロボット掃除機元年”》

「2012年はロボット掃除機元年」というキーワードのとおり、今年は多くのお掃除ロボットの新製品が発売されました。各メーカーについて2012年の総評という形で書いてみましたので、ぜひご一読ください。

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目次

アイロボット

アイロボットは今年6種類の新製品を日本市場に投入しています。しかしどの製品もマイナーチェンジに近い内容であり、純粋な新製品はありませんでした。

最も話題を集めたのは新たに追加された「ルンバ600シリーズ(ルンバ630・ルンバ620)」です。筐体は500シリーズ、アルゴリズムと掃除システムは700シリーズを元に開発された製品です。既存製品の技術を組み合わせたことにより、コストダウンが行われ低価格を実現しています。ただし外見は旧モデルと変らず、700シリーズで採用された新型吸引システム「エアロバキュ(AeroVac)」も搭載していません。もちろん掃除性能に不満はないと思いますが、技術的な進化はあまり感じられませんでした。

→ ルンバ630(アイロボット)の比較と評価
→ ルンバ620(アイロボット)の比較と評価
→ ルンバ 10th Birthdayモデル(アイロボット)の比較と評価

600シリーズと同時発売の「ルンバ ピンクリボンモデル 53884」は、なぜか「ルンバ537J」がベースでした。こちらは正規総代理店(セールス・オンデマンド社)による日本企画の製品なのかもしれません。年初に発売された「ルンバ537J」と「ルンバ527J」は、従来品のマイナーチェンジ版です。プレスリリースもなくひっそりと発売されたため、いずれ製品ラインアップから外れると予想したのですが、現在も販売が続いています。一方、700シリーズのエントリーモデル「ルンバ760」は売れ行きが悪いのか、ラインナップから外されたようです。

→ ルンバ ピンクリボンモデル 53884(アイロボット)の比較と評価
→ ルンバ537J(アイロボット)の比較と評価
→ ルンバ527J(アイロボット)の比較と評価

2013年にアイロボット社がルンバ800シリーズ(?)のような新製品を発売する可能性は低いと思いますが、ライバル製品が続々と登場しているため、市場の状況によっては「ルンバ780J」「ルンバ770J」のような日本市場向けの「J型」を発表する可能性はあると思います。ただし内容は付属品を増やす等の小規模な変更にとどまるでしょう。また米iRobot社がEvolution Robotics社を買収したことにより、拭き掃除ロボット「ミント 4200 オートマティックフロアクリーナー(Mint 4200 Automatic Floor Cleaner)」が日本でも発売される可能性が高そうです。

シャープ

シャープはロボット掃除機市場に新規参入し「COCOROBO(ココロボ)」シリーズ3機種を発売しました。

「ココロボ RX-V100」と「ココロボ RX-V80」は、ターボファンによる吸引力の強化、透明な物を検知する超音波センサー、イオンを発生して空気をきれいにするプラズマクラスターなどの機能にシャープ独自の展開が見られました。しかし、音声認識やスマートフォン連携といった“掃除機の本質”に関係ない部分をアピールし過ぎた結果、ロボット掃除機としてのコンセプトがぼやけてしまった印象です。

→ ココロボ RX-V100(シャープ)の比較と評価
→ ココロボ RX-V80(シャープ)の比較と評価

ロボット掃除機に「コミュニケーション機能」を求めているユーザーがどれだけ存在したのでしょうか。追加発売された「家電コントローラー RX-CU1」に至っては“そんな物を作っている余裕があるのか?”と皮肉を言いたくなるほど感覚がずれていると思います。

ココロボシリーズは、家電量販店や百貨店など、家電メーカーならではの営業力を生かして販売を伸ばしていますが、残念ながらルンバの牙城を切り崩すまでには至っていないようです。「ココロボ RX-V60」で打ち出した「小型化・軽量化」というコンセプトは悪くないと思うので、最初からこれを出しておけばよかったのではと感じました。

→ ココロボ RX-V60(シャープ)の比較と評価

2013年にシャープがロボット掃除機の新製品を発売する可能性は限りなく低いでしょう。そもそも会社自体が傾いている状況であり、それほど大きな売上を見込めないロボット掃除機に、経営資源を振り分ける余裕は無いと思います。

東芝

東芝は2012年に「Smarbo(スマーボ)」シリーズ3機種を発売しました。

全機種とも韓国・サムスン電子(SAMSUNG)の「Navibot」をベースに開発したOEM製品です(なぜか東芝は明言を避けています) この中で「スマーボV VC-RB8000」と「スマーボV VC-RB7000」の2機種は、マッピングの精度が向上し同じ場所を4回通過するようにアルゴリズムを改良。結果として掃除性能が大幅に高まっています。

→ スマーボV VC-RB8000(東芝)の比較と評価
→ スマーボV VC-RB7000(東芝)の比較と評価

11月に発売された「スマーボ VC-RB6000」は、初代スマーボに大幅な改良を施したマイナーチェンジモデルです。同じ場所を2回通過するよう変更され、パワーブラシ(床ブラシ)もスマーボVシリーズと同じ物になっています。ただし上位モデルのスマーボVと価格差が少ないので存在意義があまり感じられない製品と言えるでしょう。

→ スマーボ VC-RB6000(東芝)の比較と評価

残念ながらスマーボシリーズの売上は思ったほど伸びていないようです。2011年発売の「スマーボ VC-RB100」は、静音性と掃除時間の短縮に力点を置きすぎた結果、ゴミを取り残すことが多かったので、その悪評が売上に影響しているのかもしれません。

また東芝は予算がないのか広告・宣伝が極端に少なくPR不足の印象です。11月に発売された「スマーボ VC-RB6000」に至っては、東芝の公式サイトにも製品情報の記載がなく、年末になってようやく追加されるという状況でした。せっかく細かい改良を加えて性能アップを実現したので、もう少し知名度向上に力を入れてほしいと思います。

LG電子

韓国LG電子(LGエレクトロニクス)は、「ホームボット2.0(HOM-BOT2.0)」を発売しました。小型カメラで室内を撮影しマッピング(地図化)を行うアルゴリズム、約48dBという“図書館並み”の運転音など、明確なコンセプトが特長なのにも関わらず、「ホームボット2.0」は思ったほど話題になりませんでした。

→ ホームボット2.0 VR6170LVM(LGエレクトロニクス)の比較と評価

ホームボットに限らずLGの家電製品は全体的にアピール不足の印象です。また黒みがかった赤い本体カラーは韓国では受けるのかもしれませんが、日本人の感覚では「毒々しい」と敬遠されがちです。本格的に日本市場での成功を目指すのであれば、白・黒のベーシックなカラーリングの方が良いのかもしれません。

モニュエル

韓国モニュエル社(Moneual)は、オンキヨーデジタルソリューションズとの販売提携により日本市場に参入しました。ユニークなハンドルリモコンとマッピング機能を搭載する「クレモン MR7780J」、機能をシンプルにして低価格を実現した「クレモン MR6680J」の2機種を発売しています。

→ クレモン MR7780J(モニュエル)の比較と評価
→ クレモン MR6680J(モニュエル)の比較と評価

「クレモン」は人工知能と床ブラシを搭載する本格的なロボット掃除機です。モニュエル社は日本法人(モニュエル・ジャパン)を設立しており国内市場への意欲を感じさせます。製品の素性も良さそうなのですが、販売ルートがオンキヨーダイレクト等に限られているため、現状のままではシェアを伸ばせないでしょう。

マミロボット

韓国マミロボット社は「ポロKF701」と「ポロKF501」を発売しました。ロボット掃除機とハンディクリーナーを組み合わせたコンセプトは、前モデルから継承されています。

→ マミロボットポロKF701(MamiRobot)の比較と評価
→ マミロボットポロKF501(MamiRobot)の比較と評価

ところが特にプレスリリース等も出さず新製品としての展開が弱かったため、知名度が低いのは否めません。一時期はテレビショッピングなどでも販売していたようですが、高級路線のルンバやココロボ、低価格のロボットクリーナーに挟まれて中途半端な存在となってます。製品の作りも、充電ステーションにハンディクリーナー用の設置部分が残ったままになっている(ポロKF501)等、雑な印象を受けます。日本市場でのシェア拡大を図るためには、より製品の質と魅力を高める努力が必要だと思います。

AGAiT

台湾AGAiT社が開発したロボット掃除機「E-CLEAN EC01E」と「E-CLEAN EC MINI」は、2012年10月からサンコー株式会社によって輸入販売されています。

→ イークリーン EC01E(AGAiT)の比較と評価
→ イークリーン EC MINI(AGAiT)の比較と評価

AGAiT社は、世界的な総合エレクトロニクスメーカー「ASUS(エイスース・アスース)」の子会社であり、それを前面にアピールした展開が行われています。けれどもロボット掃除機として特筆に値する点は見られず、極めて凡庸な製品に感じられました。台湾では既に後継機種「EC02」「EC02A」「EC03」が販売されているので、今後の導入を期待したいと思います。

ツカモトエイム

ツカモトエイムは「ロボットクリーナー エコモ AIM-RC01」を2012年6月に発表しています。それにもかかわらず当初の予定(9月末)から1ヶ月以上遅れで発売され、現在もホームページに製品情報すら見当たりません。内容に関しても、4種類のカラーバリエーションとバッテリー容量が増えた事以外、特に見るべき点がなく売れ行きも芳しくないようです。

→ エコモ ロボットクリーナー ecomo robo AIM-RC01(ツカモトエイム)の比較と評価

最近までツカモトエイムのロボットクリーナーシリーズは、大手家具量販店のニトリで販売されていましたが、PB商品(ロボットクリーナー ファシルM-H298)に切り替えられたため、売上に大きな影響が出ていると思われます。

苦肉の策なのかツカモトエイムは旧商品の名前を変更して継続販売しています。具体的には「ロボットクリーナー AIM-ROBO1」を「ロボットクリーナー ネオ AIM-RC02」、「ロボットクリーナーミニ AIM-ROBO2」を「ロボットクリーナー ミニ ネオ AIM-RC03」に変更しています。いずれも機能・性能は全く同じなので、余計に消費者の混乱を招くだけな気がします。

ニトリ

家具・インテリアの「ニトリ」は、プライベートブランド(PB)のロボット掃除機「ロボットクリーナー ファシルM-H298」を発売しました。ニトリは最近までツカモトエイムのロボットクリーナーシリーズを販売していましたが、昨年秋から自主企画商品に切り替えています。

→ ロボットクリーナー ファシルM-H298(ニトリ)の比較と評価

「ロボットクリーナー ファシルM-H298」は、テレビCMにも登場するなどニトリ側もかなり力を入れているようです。この内容で14,900円の激安価格を実現しているのは、デフレ時代の優良企業と呼ばれるニトリならではといえるでしょう。しかし商品の品質はお世辞にも高くありません。手にとった印象は非常に安っぽく、「自動充電機能」を使うために放充電を繰り返す必要がある等、詰めが甘い部分も見受けられます。とは言ってもルンバの半額以下で買える商品なので、過大な期待を抱くのは筋違いと言えるでしょう。

アテックス

アテックスは、ロボット掃除機の最新モデル「クリーンスターDNA2」を発売しました。クリーンスターシリーズは、ルンバ型のロボット掃除機として歴史が古い製品で、値段が手頃なこともありネット通販を中心に根強い人気があります。

→ クリーンスターDNA2(アテックス)の比較と評価

「クリーンスターDNA2」は、ニトリの「ロボットクリーナー ファシルM-H298」と同じ筐体を使用しており、機能・性能も同等です。その上、価格はニトリより安いので、ブランドにこだわりがない人は考慮に入れても良いでしょう。しかしクリーンスターは商品説明がお粗末で悪ふざけをしている印象を受けます。親しみやすさを出そうとしたのかもしれませんが、これでは怪しいイメージしか残らないと思います。

フォアベルク

ドイツのフォアベルク社は、ロボット掃除機「コーボルトVR100」を日本で発売しました。掃除のアルゴリズムとして、米Neato Robotics社の「Neato XV-11」に採用されたレーザーナビゲーション技術を搭載しています。

→ コーボルトVR100(フォアベルク)の比較と評価

「コーボルトVR100」は、とても完成度が高いロボット掃除機です。ところがプレスリリースもなくメディアでも取り上げられなかったため、知名度は低いと思われます。元々フォアベルク社の製品は、家電量販店で販売される商品ではなく訪問販売がメインです。従って実物を見られる場所は、自宅でのデモンストレーションかショールームに限られています。またダイレクトセールスという性質上、価格も高く設定されています。

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