「アイロボット ルンバ770」は日本国内正規品ルンバ700シリーズのスタンダードモデルです。
「ルンバ780」「ルンバ760」との違いは「ブラックのボディカラー」です。さらに「ルンバ780」と共通の機能として「ダブルゴミセンサー」「ゴミフルサイン」を搭載しています。
「アイロボット ルンバ770」の実売価格は55,000円前後です。
目次
製品情報
iRobot Roomba 自動掃除機 ルンバ 770
「ルンバ770(77006)」は、国内正規品ルンバ700シリーズのスタンダードモデルです。性能と価格のバランスが良く、ルンバ700シリーズの中で最も人気がある機種となっています。ボディカラーはクールな「ブラック」です。
基本的な掃除能力は各モデル共通でグレードによる大きな違いはありません。主な相違点は掃除を便利にする機能と付属品の有無です。
「ルンバ770」には「ダブルゴミセンサー」と「ゴミフルサイン」が搭載されています。
ダブルゴミセンサーは、ゴミの多い場所を集中して掃除する「スポット掃除機能(ダートディテクトモード)」で使用される光センサーで、従来までのピエゾセンサーでは感知できなかった重さが軽いゴミにも対応可能になりました。またゴミフルサインは、ダストボックスのゴミが満タンになるとランプ点灯で知らせてくれる機能です。
「ルンバ770」のアルゴリズムは、従来の人工知能「AWARE(アウェア)」に高速応答プロセス「iAdapt(アイ・アダプト」が追加されたことで、さらに賢く進化しています。また掃除システムも「3段階クリーニングシステム」がバージョンアップした「NEW3段階クリーニングシステム」が搭載されています。
従来品のルンバ500シリーズは「サイドブラシ(エッジクリーニングブラシ)でゴミをかきだす」→「床ブラシ(デュアルパワーブラシ)でゴミをかきこむ」→「バキューム機能(密着ワイパー型吸引口)で吸いとる」の3ステップでしたが、「ルンバ770」は「サイドブラシでゴミをかきだす」→「床ブラシでゴミをかきこみながら吸いとる」という、床ブラシと吸引システムが一体化した「エアロバキュ(AeroVac)」に改良され、掃除性能が向上しました。
また新型の「ダストカットフィルター」(HEPAフィルター相当)を採用、バッテリー寿命が従来品の1年から1.5年に伸長、ダストボックス形状の改良、ゴミ満タン時のランプ点灯など、各種機能が大幅にアップデートされています。
本体とバッテリーの他に「ホームベース」「ACアダプター」「お手入れリング・カッター」「ダストカットフィルター(2セット)」「オートバーチャルウォール(2個)」「リモコン」が付属します。
レビュー・評価
長所
ルンバ700シリーズ共通の長所として「アルゴリズム」が優秀な点が挙げられます。
アイロボット社はロボット専業メーカーなのでこの部分には非常に力が入っています。同社の「人工知能AWARE(アウェア)」と「高速応答プロセスiAdapt(アイ・アダプト)」は、人工知能が毎秒60回以上も状況判断を行い、40種類以上の行動パターンから動作を選択するというシステムです。
安価なロボット掃除機の多くは3~5種類程度の行動パターンしか搭載していないので、40以上の行動パターンがどれだけ凄いか理解していただけると思います。
またピエゾセンサーと光センサーでゴミや汚れが多い部分を検知、きれいになるまでブラッシングを繰り返す「ゴミ検知機能(ダートディテクトモード)」は、アイロボット社の特許技術で他社のロボット掃除機にはない大きな特徴となっています。
発売から10年以上の実績を持つルンバの掃除能力はロボット掃除機の中でもトップクラスです。掃除能力については充分に満足できると思います。
短所
ルンバ700シリーズ共通の欠点として「壁や家具への接触回数の多さ」が挙げられます。
後発のロボット掃除機には赤外線距離センサーを利用した「衝突防止機能」が搭載されていることが多いのですが、ルンバには「衝突防止機能」はなく前面のバンパーセンサーが障害物に接触することで室内の形状を判断しています。
壁や家具へのダメージを最小限に抑えるために、障害物を検知すると速度を落とす機能やバンパー部分にソフトな素材を使用するなどの対策がとられているとはいえ、気になる人も多いのではないでしょうか。
しかし、これについては「掃除性能」と「接触回数の減少」の二者択一を迫られる問題です。
後発のロボット掃除機のように衝突回避を強化すると、結果として壁際や部屋の隅まで掃除が行き届かず掃除性能に不満が残ります。対照的にルンバは遠慮なく障害物に衝突しますが、ホコリが溜まりやすい部屋の隅まで掃除してくれます。どちらを優先するかは利用される方の考え方次第だと思われるので購入前に検討されることをお勧めします。
またルンバに関する不満として純正バッテリー(税込10,500円)の値段が高い点がしばしば指摘されますが、これについてはサードパーティ製の安価な互換バッテリー(3,000円程度で入手可能)を利用することで運用コストを抑えられると思います。
最後は個人的な意見なのですが「ルンバ770」のボディカラーが少々気になります。
ブラックはスタイリッシュなイメージなので、部屋の雰囲気によっては浮いてしまう気がします。「ルンバ770」は、ルンバ700シリーズの中で最も売れる普及モデルなのですから、どんな部屋にも合わせやすいベーシックなホワイト系のカラーリングのほうが良かったと思います。
ルンバ780との比較
「ルンバ770」と「アイロボット ルンバ780」の主な違いは「タッチパネル操作」「ライトハウス機能」「付属品」の有無です。
タッチパネルに関しては操作性と見た目の良さ、ボタンの隙間にホコリが入らない等のメリットもありますが、掃除性能には直接影響しないのでそれほど重要ではないと思います。
また付属品についてもサイドブラシ、床ブラシはすぐに必要となる物ではありません。どちらも意外と耐久力が高く1年以上使い続けても壊れる可能性は低いと思います。そのため、必要になった時点で買い足しても十分間に合うと思います。
最も大きな差異は「ルンバ780」のみに搭載される「ライトハウス機能」です。
複数の部屋を満遍なくきれいにしたい場合は有効な機能ですが、多少の掃除むらがあっても問題ないのであれば、各部屋のドアを開けたままルンバを動かすことで「ライトハウス機能」を使わずに複数の部屋を掃除させることができます(最大25畳まで)
また「ライトハウス機能」に関しては「ルンバ780」の解説でも指摘したように意外と使いにくいので、複数の部屋を掃除させる必要がなければ省略しても問題ないでしょう。
ルンバ760との比較
「ルンバ770」と「アイロボット ルンバ760」の違いは「ダブルゴミセンサーの有無」「ゴミフルサインの有無」「ボディカラーの違い」「価格」です。
ゴミフルサインについては、掃除のたびに毎回ゴミを捨てる習慣を付けておけば無くても問題無いと思います。
しかしダブルゴミセンサーの有無は掃除性能に大きく影響するため注意が必要です。「ルンバ760」のピエゾセンサーはパラパラとした砂のようなゴミは発見しやすいのですが、ふわふわした軽いゴミは苦手としています。
「ルンバ770」と「ルンバ780」はピエゾセンサーの他に光センサーを搭載しているので、髪の毛や綿ぼこりのようなゴミにも強く、汚れている場所を見つけやすいと言えます。
「ルンバ770」と「ルンバ760」は5,000円前後の価格差があります。しかしゴミを検知する光センサーの有無は、値段の差以上に大きく感じられると思います。したがって特別な理由がない限り「ルンバ770」を選んでおいたほうが満足度は高いでしょう。
主要機能一覧
※メーカーにより機能の名称は異なります。
※機能の詳しい解説は「お掃除ロボットの主な機能について」をご覧下さい。
人工知能 | ◯ | ゴミ検知機能 | ◯ |
---|---|---|---|
サイドブラシ | ◯ | 拭き掃除機能 | × |
床ブラシ | ◯ | 自動充電機能 | ◯ |
バキューム機能 | ◯ | スケジュール機能 | ◯ |
衝突防止機能 | × | バーチャルウォール機能 | ◯ |
落下防止機能 | ◯ | ライトハウス機能 | × |
からまり防止機能 | ◯ | リモコン操作機能 | ◯ |
製品仕様
発売年月 | 2011年10月 |
---|---|
メーカー | アイロボット |
型番 | 77006(ブラック) |
本体寸法 | 幅35.3センチ*奥行き35.3センチ*高さ9.2センチ |
本体質量 | 約3.85キロ |
電源 | 入力:AC100V 50/60Hz |
バッテリー種類 | 充電式ニッケル水素電池 |
バッテリー容量 | 14.4V、3,000mAh |
バッテリー寿命 | 約1年半 |
充電時間 | 約3時間 |
消費電力 | 33W |
稼働時間 | 最大60分 |
掃除面積 | 25畳 |
運転音 | – |
集塵容積 | – |
フィルター | ダストカットフィルター |
乗り越え能力 | 約2センチ |