「アイロボット ルンバ780」は日本国内正規品ルンバ700シリーズのハイグレードモデルです。他のモデル(ルンバ770・ルンバ760)との違いは「ライトハウス機能」「タッチパネル」「交換用ブラシセット」「メタリックグレーのボディカラー」です。またルンバ770と共通する機能として「ダブルゴミセンサー」と「ゴミフルサイン」を搭載しています。
「アイロボット ルンバ780」の実売価格は52,000円前後です。
目次
製品情報
iRobot Roomba 自動掃除機 ルンバ 780
「アイロボット ルンバ780」は、国内正規品ルンバ700シリーズの最上位機種です。従来品の500シリーズから外見・機能を一新したフルモデルチェンジと言える製品となっています。
従来品のルンバ500シリーズは「密着ワイパー型吸引口」と呼ばれる幅1ミリの吸引口が床面に密着して、細かいホコリを吸引する仕組みでした。しかし700シリーズでは「密着ワイパー型吸引口」が廃止され、「デュアルパワーブラシ」と呼ばれる角度自動調節機能付きの床ブラシから、かきこんだゴミを直接吸引する仕組みに変更されています。
これに伴いダストボックスも「エアロバキュ(AeroVac)」と呼ばれる新型に変更されています。
従来品のダストボックスは「床ブラシでかきこんだゴミ」と「吸引口から吸い取ったゴミ」が別々のエリアに収納される二層式でした。しかし「エアロバキュ」対応のダスト容器は格納エリアが1つになったので、結果的にダストボックスの容量が増えています。
ルンバ700シリーズの基本的な掃除能力は各モデル共通でグレードによる大きな違いはありません。主な相違点は掃除を便利にする機能と付属品の有無です。それではルンバ780に搭載される機能と装備を順番に解説していきましょう。
「ルンバ780」のみが搭載する「ライトハウス機能」とは「複数の部屋を順番に掃除する機能」です。
ライトハウス機能がないルンバが複数の部屋を掃除する場合、部屋・廊下など掃除する場所全体を「大きな一つの部屋」と見なして掃除を行います。掃除する範囲は最大25畳まで対応可能ですが、部屋がそれ以上に広かったり形が複雑だったりすると、掃除のムラが出てしまう場合があります。
このような掃除ムラの発生を防ぐのがライトハウス機能です。まず掃除の前に、ルンバ780専用の「お掃除ナビ」と呼ばれる装置をドア付近など部屋と部屋の間に設置します。掃除をスタートすると、ルンバ780は「お部屋ナビ」と無線通信を行い、部屋の区切りを自動判別します。最初の部屋を一定時間掃除すると、自動で次の部屋に移動し再び掃除を行います。各部屋を最長25分間ずつ掃除するので、どの部屋にも偏りなく掃除できることになります。
「タッチパネル式の操作方法」は、他のルンバではボタン操作となっている部分がタッチパネル化されている機能です。操作部分がLEDで発光するので暗い場所でも操作がわかりやすく視覚的にも楽しめます。また指で軽く触れるだけで反応するので「ボタンを押す操作」が苦手なお年寄りやお子さんにも使いやすい機能だと思います。
「交換用ブラシセット」は、ルンバに必要な消耗品(フレキシブルブラシ、メインブラシ、エッジクリーニングブラシ)が各1本ずつ付属しています。それぞれのメーカー希望小売価格は税込2,100円ですので合計6,300円分の価値がありお得に感じられると思います。
この他に「ルンバ780」と「ルンバ770」共通の機能として「ダブルゴミセンサー」と「ゴミフルサイン」が搭載されています。
ダブルゴミセンサーは、ゴミの多い場所を集中して掃除する「ダートディテクトモード」で使用される光センサーで、従来までの音センサーでは感知できなかった重量が軽いごみにも対応可能になりました。またゴミフルサインは、ダスト容器のごみがいっぱいになるとランプで知らせてくれる機能です。
付属品は「ホームベース」「ACアダプター」「お手入れリング・カッター」「ダストカットフィルター(2個)」「フレキシブルブラシ(1個)」「メインブラシ(1個)」「エッジクリーニングブラシ(1個)」「お部屋ナビ(2個)」「リモコン」の9点です。
※雑誌「GetNavi」が撮影した「ルンバ780」の走行ルート動画を紹介します。一見ランダムに動いているように見えますが、最終的に部屋全体をカバーする様子がわかります。
レビュー・評価
長所
ルンバシリーズの掃除能力は数あるロボット掃除機の中で一番高いのではないでしょうか。想像以上にゴミがよく取れるので初めて使う方は驚かれると思います。
掃除時間は他のロボット掃除機と比べて長めですが、同じ場所を平均4回掃除するので細かなゴミやホコリもきれいになります。
ロボット掃除機の必需品である「フィルター」や「バッテリー」などの消耗品が入手しやすいこともルンバの利点です。メーカー純正品の他に互換品も格安で手に入るのでコスト面も抑えられます。
短所
部屋の隅々までゴミがよく取れる分、壁や家具に遠慮なく当たるので傷が気になる方がおられるかもしれません。またルンバ本体も傷だらけになります。ルンバは他のロボット掃除機よりも移動スピードが早くぶつかった時の音も大きめです。
またルンバ780専用の「ライトハウス機能」については、掃除をする時に部屋と部屋の境界線に「お部屋ナビ」を置いておく必要があるため意外と準備に手間がかかります。
極端に広い面積でなければ他のルンバでも複数の部屋を掃除できるので、条件によってはそれほど必要性のない機能かもしれません。「交換用ブラシセット」も互換品を格安で入手できますので、最初は無くてもあまり困らないと思われます。
ルンバ770との比較
「ルンバ780」と「アイロボット ルンバ770」の違いは「ライトハウス機能」「タッチパネル操作」「付属品」の有無です。
たまに「ライトハウス機能」がないと複数の部屋を掃除できないと誤解している人がいますが、掃除させたい複数の部屋をルンバが行き来できる状態にしておけば、ライトハウス機能が搭載されていない「ルンバ770」と「ルンバ760」でも問題なく複数の部屋を掃除できます。
ただし部屋の数や大きさによって掃除時間に多少の偏りが発生するので、どの部屋も満遍なく一定時間お掃除させたい場合は「ライトハウス機能」を搭載した「ルンバ780」の利用をお勧めします。
ルンバ760との比較
「ルンバ780」と「アイロボット ルンバ760」の違いは「光センサー」「ゴミフルサイン」「ライトハウス機能」「タッチパネル操作」「付属品」の有無です。
全機種に搭載されるピエゾセンサーは、砂粒のような固いものには比較的強いのですが、日本特有の綿ゴミのように大きめでふわふわしたゴミは苦手としています。その部分をカバーするために「ルンバ780」と「ルンバ770」には光センサーも追加されているのですが、残念ながら「ルンバ760」には搭載されていません。
ただし旧モデルの500シリーズにはピエゾセンサーしか搭載されていませんでしたが、それほど大きな問題にはなっていなかったようなので、光センサーが搭載されていなくても通常の利用には影響ないのではないかと思います。
主要機能一覧
※メーカーにより機能の名称は異なります。
※機能の詳しい解説は「お掃除ロボットの主な機能について」をご覧下さい。
人工知能 | ◯ | ゴミ検知機能 | ◯ |
---|---|---|---|
サイドブラシ | ◯ | 拭き掃除機能 | × |
床ブラシ | ◯ | 自動充電機能 | ◯ |
バキューム機能 | ◯ | スケジュール機能 | ◯ |
衝突防止機能 | × | バーチャルウォール機能 | ◯ |
落下防止機能 | ◯ | ライトハウス機能 | ◯ |
からまり防止機能 | ◯ | リモコン操作機能 | ◯ |
製品仕様
発売年月 | 2011年10月 |
---|---|
メーカー | アイロボット |
型番 | 78006 |
本体寸法 | 幅35.3センチ*奥行き35.3センチ*高さ9.2センチ |
本体質量 | 約3.85キロ |
電源 | 入力:AC100V 50/60Hz |
バッテリー種類 | 充電式ニッケル水素電池 |
バッテリー容量 | 14.4V、3,000mAh |
バッテリー寿命 | 約1年半 |
充電時間 | 約3時間 |
消費電力 | 33W |
稼働時間 | 最大60分(ライトハウス機能使用時/最大75分) |
掃除面積 | 25畳 |
運転音 | – |
集塵容積 | – |
フィルター | ダストカットフィルター |
乗り越え能力 | 約2センチ |