「トルネオ ロボ VC-RV1」は、東芝が自社開発したロボット掃除機「トルネオ ロボ」シリーズの下位機種です。新型アルゴリズム「Smart Brain(スマートブレイン)」と可動集塵システム「3D DRIVE(ドライブ)」を搭載。部屋中を平均4回、あらゆる角度から掃除します。
「東芝 トルネオ ロボ VC-RV1」の実売価格は70,000円前後です。
目次
製品情報
東芝 ロボット掃除機 (メタリックグレイ)TOSHIBA TORNEO ROBO(トルネオ ロボ) VC-RV1-H
「トルネオ ロボ VC-RV1」は、東芝ライフスタイル株式会社(本社:東京都青梅市)が販売するロボット掃除機「TORNEO ROBO(トルネオロボ)」シリーズ(VC-RCX1・VC-RVD1・VC-RV1)のエントリーモデルです。
2012年11月に発売された「東芝 スマーボ VC-RB6000」の後継機種。従来品は韓国サムスン電子のOEM製品でしたが、2014年型のトルネオロボは東芝による自社開発製品となります。
上位モデル2機種(VC-RCX1・VC-RVD1)との主な違いは「本体カラー」「充電台」「消費電力」です。
まず本体カラーは「(H)メタリックグレイ」の1種類のみとなっています。
充電台は、集じん機能付きの充電台「ダストステーション」ではなく、充電機能のみとなります。充電台のサイズは「幅22.8センチ*奥行15センチ*高さ9.7センチ」であり、ダストステーションの「幅31.8センチ*奥行27.8センチ*高さ17センチ」よりコンパクトです。
消費電力は、ダストステーション吸引時の消費電力(325W)がなくなり、本体離脱時の消費電力も1Wに抑えられています。
掃除性能に関しては、2014年型トルネオロボシリーズ全機種共通となります。
トルネオロボの注目ポイントは新型アルゴリズム「Smart Brain(スマートブレイン)」と可動集塵システム「3D DRIVE(ドライブ)」です。
掃除中の動作を決定するアルゴリズムは、ロボット掃除機の中で最も重要な機能です。
従来品の「スマーボ」シリーズは「カメラ機能」で室内の様子を撮影して照合し「マッピング(地図化)」と呼ばれる走行ルートを作成。掃除中は各種センサーとカメラで現在位置を把握。掃除した場所を記憶するので、短時間で掃除を終わらせるのが特徴でした。
しかしスマーボのような「人工知能+マッピング型」のアルゴリズムは、掃除時間が短縮される代わりに、同じ場所を通過する回数が少ない傾向がありました。また動きが直線的なので様々な角度から掃除ができず、ゴミの取り残しが多い弱点も見られました。
トルネオロボではカメラによるマッピングが廃止され、各種センサーで室内を把握し適切な行動パターンを選択する「人工知能+パターン型」のアルゴリズムを採用しています。
室内の障害物・壁・隅の位置を検知するセンサーは「高精度赤外線距離センサー」「超音波センサー」「段差センサー」「走行距離センサー」など合計27個を搭載。人工知能が選択する「行動パターン」も70種類以上用意されています。
超音波センサーは、多くのロボット掃除機が搭載する「赤外線センサー」が苦手とする透明なガラスや黒っぽい色の家具・壁等も確実に検知します。また本体側面の「高精度赤外線距離センサー」は、本体と壁の距離を2センチ以下に保つので壁際のゴミを残しにくくなっています。
「人工知能+パターン型」のアルゴリズムは、ライバル製品である「ルンバ」シリーズも採用しており、ランダム性が強くデタラメに動いているように思えますが、壁や障害物を発見すると方向転換をして最終的には部屋全体を平均4回通過します。
壁際のゴミに関しては、走行中に「右回り」「左回り」を自動で切り替えて、取り残しがないよう工夫しています。さらに同じ場所を様々な角度から通過することで、吸引力が弱いロボット掃除機の弱点をカバーしています。
可動集塵システム「3D DRIVE」は、2本の「サイドアームブラシ」と「可動式回転ブラシユニット」で構成されています。
サイドアームブラシは本体前方のゴミをかき集める機能で、ゴミの取り残しを抑えるために、従来機種の「東芝 スマーボV VC-RB8000」よりブラシの毛を24ミリ長くしています。さらにブラシの「回転軸」を本体外周近くに設定。通常は本体外周よりはみ出していますが、障害物に当たるとブラシが引っ込んで回避します。
またゴミを残しやすい壁際・コーナーへの対処として、部屋の隅に接近すると約3秒間停止して本体を左右に動かすアルゴリズムを備えています。
可動式回転ブラシユニットは、その名の通り、本体底面の「回転ブラシ(床ブラシ)」全体が上下に稼働する構造となっています。これは床ブラシが床面に密着して集じん性能を高める効果と段差を乗り越えやすくする狙いがあります。
引き戸の段差やジョイントマットなどに引っかかると掃除中に停止する原因になりますが、可動式回転ブラシユニットは床面に沿って上下するので引っ掛かりにくくなっています。
さらに車高を約15ミリに設定。最大約2センチまでの段差を乗り越えられます。また全高も8.7センチに抑えられているので、ベッドの下なども掃除しやすくなっています。
お掃除モードは「自動」「スポット」「手動」の3種類です。日頃の掃除は自動モードを使用しますが、とくに汚れが気になる場所には、重点的に掃除をするスポットモードを使用します。手動モードでは付属の「リモコン」でラジコンカーのようにトルネオロボを操作できます。
トルネオロボが家具や壁に近づくと減速してショックを軽減します。また家具の脚まわりも回って掃除します。さらに玄関や階段等の段差を検知して落下を回避します。なお掃除中に本体を持ち上げると安全のため自動停止します。
またトルネオロボは「ゴミセンサー」を備えており、とくにゴミが多い場所を検知すると、その場で2回旋回して念入りに掃除をします。
トルネオロボシリーズは全機種が「タイマー予約機能」を搭載しています。リモコンを使って「曜日」「時間・分」を設定しておくと、指定した時間に自動で掃除を実行します。
充電式バッテリーは「リチウムイオン電池 RB3-P」を採用しています。電圧は14.4V。容量は2.5Ah。セル数は4個です。充電時間は約5時間。稼働時間は最大約70分です。長寿命設計なので1日1回運転した場合、約3年間使用可能です(充電回数約1,100回)
別売品の「バーチャルガード VJ-RBG3」を使用すると、トルネオロボの行動範囲を制限できます。バーチャルガードは赤外線信号で「仮想フェンス」を発生させて、本体の進入禁止区域を設定します。バーチャルガードの希望小売価格は税別3,980円です。
レビュー・評価
長所
「トルネオ ロボ VC-RV1」の長所は「アルゴリズム」と「可動集塵システム」です。
アルゴリズムに関しては、ルンバと同タイプの「人工知能+パターン型」を採用しており、従来品の「スマーボ」シリーズよりも集塵力が大幅に向上しています。
また前後に動く「サイドアームブラシ」と上下に動く「可動式回転ブラシユニット」を装備しており、壁や障害物、段差に引っ掛かりにくく走破性能を高めています。
「トルネオ ロボ VC-RV1」は、「カメラ・通信機能」と「ダストステーション」以外は、上位機種と全く変わらない性能を持っており、お買い得感があると思います。
短所
「トルネオ ロボ VC-RV1」の短所は「集じん容積」が少なめなことです。
上位2機種は本体0.2リットルの他に、「ダストステーション」にも0.7リットルの容量があります。
ダストステーションを併用した場合、ゴミ捨ては約1ヶ月間に1回で済むとされていますが、「トルネオ ロボ VC-RV1」の場合は掃除をするたびにゴミ捨ての必要があるでしょう。
ただしライバル製品と比べて特別に容量が少ないわけではないので、それほど気にしなくて良いかもしれません(「ルンバ880」は0.4リットル前後、「ココロボ RX-V200」は0.1リットルです)
主要機能一覧
※メーカーにより機能の名称は異なります。
※機能の詳しい解説は「お掃除ロボットの主な機能について」をご覧下さい。
人工知能 | ◯ | ゴミ検知機能 | × |
---|---|---|---|
サイドブラシ | ◯ | 拭き掃除機能 | × |
床ブラシ | ◯ | 自動充電機能 | ◯ |
バキューム機能 | ◯ | スケジュール機能 | ◯ |
衝突防止機能 | ◯ | バーチャルウォール機能 | ◯ |
落下防止機能 | ◯ | ライトハウス機能 | × |
からまり防止機能 | × | リモコン操作機能 | ◯ |
製品仕様
発売年月 | 2014年9月 |
---|---|
メーカー | 東芝 |
型番 | VC-RV1(H) メタリックグレイ |
JANコード | VC-RV1(H):4904550952566 |
本体寸法 | 幅35センチ*奥行き35センチ*高さ8.7センチ |
本体質量 | 約3.4キロ(バッテリー含む) |
電源 | – |
バッテリー種類 | リチウムイオンバッテリー |
バッテリー容量 | 2.5Ah 14.4V セル数4 |
バッテリー寿命 | 充電回数約1,100回(1日1回使用した場合、約3年間) |
充電時間 | 約5時間 |
消費電力 | 本体充電時:18W 充電完了時:4W 本体離脱時:1W |
稼働時間 | 最大約70分 |
掃除面積 | – |
運転音 | 標準モード:約54dB マナーモード:約52dB |
集塵容積 | 本体:0.2リットル |
フィルター | – |
乗り越え能力 | 20ミリ |