「トルネオ ロボ VC-RCX1」は、東芝が自社開発したロボット掃除機「トルネオ ロボ」シリーズの上位機種です。「内蔵カメラ」と「通信機能」を備えており、東芝のスマート家電サービスを利用して、外出先からスマートフォンで自宅の様子を確認できる機能を搭載しています。
「東芝 トルネオ ロボ VC-RCX1」の実売価格は120,000円前後です。
目次
製品情報
東芝 ロボット掃除機 トルネオ ロボ グランホワイト VC-RCX1-W
「トルネオ ロボ VC-RCX1」は、東芝ライフスタイル株式会社(本社:東京都青梅市)が販売するロボット掃除機「TORNEO ROBO(トルネオロボ)」シリーズ(VC-RCX1・VC-RVD1・VC-RV1)のハイグレードモデルです。
2012年9月に発売された「東芝 スマーボV VC-RB8000」の後継機種。従来品は韓国サムスン電子のOEM製品でしたが、2014年型のトルネオロボは東芝による自社開発製品となります。
「トルネオ ロボ VC-RCX1」は、3機種の中で唯一「内蔵カメラ」と「通信機能」を備えており、外出先からスマートフォンで自宅の様子を確認できる機能を搭載しています。
スタンダードモデル「東芝 トルネオ ロボ VC-RVD1」との違いは「本体カラー」「カメラ・通信機能」「付属品」です。
まず本体カラーですが、本機は「(W)グランホワイト」の1種類のみとなります。一方で中位機種の「トルネオ ロボ VC-RVD1」には「(R)グランレッド」「(H)メタリックグレイ」「(W)グランホワイト」の3種類が用意されています。
本体前面の右側に「カメラ」と「撮影用ライト」を内蔵しており、レンズは歪補正処理を搭載する「広角レンズ」、画像サイズは「VGA(30万画素)」となっています。また通信機能は「Bluetooth(バージョン2.1)」を使用します。
留守中の部屋をトルネオロボで撮影するためには、事前に多くの準備が必要です。
まず常時接続ブロードバンドのインターネット環境とパソコンを用意します。さらに東芝が運営するクラウドサービス「フェミニティ倶楽部」への入会と別売品の「ホームゲートウェイ HEM-GW13A」が必要です。
フェミニティ倶楽部とは、ネットワークでつないだ家電(エアコン、照明、床暖房など)を、携帯電話・スマートフォンで遠隔操作したり運転状態の確認ができる有料の会員向けサービスです。初期登録料は税別1,000円、月額サービス料は税別500円です。
ホームゲートウェイとは、家電とインターネットをつなぐためのネットワーク機器で、自宅の「ブロードバンドルーター」に接続して使用します。「ホームゲートウェイ HEM-GW13A」の実売価格は税別30,000円前後です。
以上の準備を整えた上で、付属品の「フォトポインター」という誘導装置を撮影したい場所に設置します。
外出先からスマートフォンで指示を出すと、トルネオロボがフォトポインターの近くに移動して静止画の撮影を実行します。
フォトポインターは合計3台まで設置可能なので、別売品のフォトポインターを2台追加すると、トルネオロボ1台で最大3ヶ所の画像を撮影可能です。フォトポインター(1個)の価格は税別4,700円です。
撮影する画像は、指定した方向のみの「ワンショット撮影」と360度旋回しながら8枚の写真を撮影してパノラマ画像に合成する「パノラマ撮影」が選べます。
撮影した画像は、前述した「フェミニティ倶楽部」のサーバー経由で、離れた場所でもスマートフォン等で見ることができます。
他の機能・性能については、スタンダードモデル「東芝 トルネオロボ VC-RVD1」と共通です。
レビュー・評価
長所
「トルネオ ロボ VC-RCX1」の長所は、新開発された「アルゴリズム」と「段差に強い設計」です。
従来品の「スマーボ」シリーズは、内蔵カメラで室内を撮影しながら現在位置を把握して掃除をする「人工知能+マッピング型」でしたが、トルネオロボは各種センサーで情報収集を行い最適な行動パターンを選択する「人工知能+パターン型」のアルゴリズムに変化しています。
「人工知能+マッピング型」は最短ルートを通るので効率よく見えますが、同じ場所を1回しか通らないのでゴミの取り残しが多い弱点がありました。一方でルンバも採用する「人工知能+パターン型」はランダム性が強くデタラメに動いているように見えますが、同じ場所を何度も色々な角度から通過するので、結果としてゴミがよく取れるメリットがあります。
さらに見逃せないのが段差への対応です。トルネオロボはルンバと同タイプの「可動式回転ブラシユニット」を採用しており、床ブラシが上下に動くことで段差に引っ掛かりにくくなっています。また車高を約15ミリに設定して障害物を乗り越えやすくした結果、乗り越え性能はルンバと同等の約2センチとなっています。
短所
「トルネオ ロボ VC-RCX1」の短所は、カメラ撮影機能が使いにくいことです。
前述したようにカメラ機能を利用するためには、パソコンとインターネット環境、専用のネットワーク機器を用意して、さらに有料の会員サービスに登録する必要があります。
使うまでに30,000円以上の出費(+月額サービス料)が必要なので、どうしてもこの機能が必要な事情がある人以外には正直言っておすすめできません。
また12万円前後とされる想定価格もネックになると思います。中位機種「トルネオロボ VC-RVD1」の想定価格は9万円前後なので価格差は約3万円ですが、違いは「カメラ・通信機能」だけで基本的な掃除性能は変わりません。
カメラ機能が不要な人はスタンダードモデルの「東芝 トルネオ ロボ VC-RVD1」又はエントリーモデルの「東芝 トルネオ ロボ VC-RV1」を選んだほうが良いでしょう。
ちなみにカメラで室内を確認できる機能は「シャープ ココロボ RX-V200」も備えており、実売価格も10万円前後なので興味がある人は比較検討してみてください。
主要機能一覧
※メーカーにより機能の名称は異なります。
※機能の詳しい解説は「お掃除ロボットの主な機能について」をご覧下さい。
人工知能 | ◯ | ゴミ検知機能 | ◯ |
---|---|---|---|
サイドブラシ | ◯ | 拭き掃除機能 | × |
床ブラシ | ◯ | 自動充電機能 | ◯ |
バキューム機能 | ◯ | スケジュール機能 | ◯ |
衝突防止機能 | ◯ | バーチャルウォール機能 | ◯ |
落下防止機能 | ◯ | ライトハウス機能 | × |
からまり防止機能 | × | リモコン操作機能 | ◯ |
製品仕様
発売年月 | 2014年9月 |
---|---|
メーカー | 東芝 |
型番 | VC-RCX1(W) グランホワイト JANコード:4904550952542 |
本体寸法 | 幅35センチ*奥行き35センチ*高さ8.7センチ |
本体質量 | 約3.4キロ(バッテリー含む) |
電源 | – |
バッテリー種類 | リチウムイオンバッテリー |
バッテリー容量 | 2.5Ah 14.4V セル数4 |
バッテリー寿命 | 充電回数約1,100回(1日1回使用した場合、約3年間) |
充電時間 | 約5時間 |
消費電力 | 本体充電時:18W 充電完了時:4W 本体離脱時:2W ダストステーション吸引時:325W |
稼働時間 | 最大約70分 |
掃除面積 | – |
運転音 | 標準モード:約54dB マナーモード:約52dB |
集塵容積 | 本体:0.2リットル ダストステーション:0.7リットル |
フィルター | – |
乗り越え能力 | 20mm |