「シャープ ココロボ RX-V90」は、シャープ株式会社が販売するロボット掃除機です。各種センサーで部屋の広さ・ゴミの量を検知して効率よく掃除する「スマートお掃除機能」を搭載。音声を好みの音に変更できる「音声カスタマイズ」サービスにも対応しています。
後継機種は「シャープ ココロボ RX-V95A」です(2015年4月発売)
目次
製品情報
シャープ ロボット家電 (プラチナピンク)【掃除機】SHARP COCOROBO(ココロボ) RX-V90-P
「ココロボ RX-V90」は、シャープが推進する「ロボット家電」の「ココロボ」シリーズに追加された最新モデルです。
本体カラーは「プラチナピンク(RX-V90-P)」。付属品は「リモコン」「充電台」「クリーニングブラシ」「交換用サイドブラシ1セット(2個)」「バンパークッション」の5点です。
機能・性能
外観・デザイン
本体サイズは直径30.4センチ、高さ9.9センチ。重量は2.6キロの軽量コンパクト設計です。下位モデル「シャープ ココロボ RX-V60(直径29.9センチ、高さ9.5センチ)」よりは若干大きめですが、それでもライバル製品と比較すると小型軽量化されています。
クリーニングシステム
掃除システムは従来品と同じ「強力吸じんシステム」を採用。サイドブラシは「RX-V60」と共通の3本アームブラシです(RX-V100・RX-V80は4本アームブラシ)
またゴミの量を判断する「ゴミセンサー」を搭載。吸込口部分に赤外線センサーを内蔵しており、吸引するゴミの量を常時検知します。ゴミが多い場合は、約0.2秒後にモーター回転数を上げて風量を約1.6倍にパワーアップ。ゴミが無くなると約2秒後にパワーダウンするそうです。
掃除のアルゴリズム
掃除のアルゴリズムは公表されていませんが、センサーが収集したデータを人工知能が判断して、複数の掃除パターンから状況に合うものを自動選択する「人工知能+パターン型」だと思われます。
最大の特徴は、部屋の広さとゴミの量を検知して運転する「スマートお掃除機能」の搭載です。
本体の正面に「赤外線センサー」と「超音波センサー」を内蔵。掃除中に部屋の広さを判断します。また「回転検知機能(エンコーダー)」が車輪の回転数から走行距離を測定して、運転時間を自動コントロール。これにより「掃除運転時間」は最長約100分。「最大稼働面積」は約40畳に向上しています(ココロボ RX-V100は、最長約60分・最大約25畳)
その他
コンパクトサイズにも関わらず、バッテリー容量は従来品と同等(3.0Ah)を確保しています。ただしダストカップ容量は、RX-V100・RX-V80の半分となる0.1リットルです。
また「ボイスコミュニケーション(音声認識機能)」、人工知能「ココロエンジン」、超音波センサー、HEPAクリーンフィルター、プラズマクラスター7000、水洗い可能なダストカップ等、従来品と同等の機能を実現しています。
もうひとつの注目ポイントとして、シャープが提供する「音声カスタマイズ」サービスに対応しています。これはココロボの音声を、子どもやペットの声など好みの音声に自由に変更できる機能です。
利用方法は、PC専用アプリケーション「COCOROBO Voice Maker」をシャープ公式サイトからダウンロード。好みの音声データを市販のSDメモリーカードに保存します。これを「RX-V90」のSDメモリーカードスロットに差し込んで利用します。上位モデル「RX-V100」も「音声カスタマイズ」を利用できますが、データ保存にはUSBメモリーが必要です(SDメモリーカードは使用不可)
ちなみに「RX-V100」に搭載される「無線LAN&カメラ」「スマートフォン対応」「COCOROBOナビ」「遠隔家電コントロール」は省略されています。
レビュー・評価
長所
「ココロボ RX-V90」のセールスポイントは、やはり「スマートお掃除機能」の搭載です。従来品のココロボは、バッテリー残量が一定レベル以下になるまで掃除を続ける仕様でした。他社製品(ルンバ、スマーボ等)は、部屋の広さを自動認識して「小さい部屋は短時間」「大きい部屋は長時間」と掃除時間を変更しているので、ようやくココロボも他社製品に追いついたと言えるでしょう。
小型軽量ボディも大きなメリットです。現在のロボット掃除機は、バッテリーが自然放電するのを防ぐため、常に充電し続ける必要があります。したがって掃除しない時も部屋に置きっぱなしになるのですが、「ココロボ RX-V90」の直径は30.4センチなので、ライバル製品と比べると小さく場所と取らないと思います(ちなみにルンバは直径35.3センチです)。しかし直径が小さくなった代償として高さが9.9センチになっています(ルンバは9.2センチ、スマーボは8センチ)。ベッドやソファの下を掃除させたい人は注意したほうが良いでしょう。
短所
ココロボシリーズ共通の欠点はバッテリーを自分で交換できないことです。自慢のリチウムイオンバッテリーは別売されていないので、電池交換のたびにシャープのサポート窓口か販売店に依頼する必要があります。交換費用は電池代の他に工賃が含まれるので高額です(15,000円前後)。バッテリー寿命が約3年と長いので、ランニングコスト自体は抑えられているのですが、ユーザーが自分で交換できるよう改善してほしいところです。
掃除範囲を制限する機能がないのもココロボの弱点です。他社製品には、赤外線等を利用して「見えない壁(仮想フェンス)」を発生させる装置が付属します(ルンバは「バーチャルウォール」、スマーボは「バーチャルガード」)。これを部屋に置くとロボット掃除機が検知して見えない壁より先には進まなくなります。しかしココロボにはこの機能がないので、掃除させたくない場所には何か物を置くなど自分で工夫する必要があります。
主要機能一覧
※メーカーにより機能の名称は異なります。
※機能の詳しい解説は「お掃除ロボットの主な機能について」をご覧下さい。
人工知能 | ◯ | ゴミ検知機能 | ◯ |
---|---|---|---|
サイドブラシ | ◯ | 拭き掃除機能 | × |
床ブラシ | ◯ | 自動充電機能 | ◯ |
バキューム機能 | ◯ | スケジュール機能 | ◯ |
衝突防止機能 | ◯ | バーチャルウォール機能 | × |
落下防止機能 | ◯ | ライトハウス機能 | × |
からまり防止機能 | × | リモコン操作機能 | ◯ |
製品仕様
発売年月 | 2013年6月 |
---|---|
メーカー | シャープ |
型番 | RX-V90-P(ピンク系・プラチナピンク) |
本体寸法 | 幅30.4センチ*奥行き30.4センチ*高さ9.9センチ |
本体質量 | 2.6キロ |
電源 | 入力:AC100V 50-60Hz共用 |
バッテリー種類 | リチウムイオン電池(Li-ion) |
バッテリー容量 | 16.0V、3.0Ah |
バッテリー寿命 | 約3年 |
充電時間 | 約4時間 |
消費電力 | 35W |
稼働時間 | 最長約120分 |
掃除面積 | 最大約40畳 |
運転音 | – |
集塵容積 | 0.1リットル |
フィルター | HEPAクリーンフィルター |
乗り越え能力 | 約1.5センチ |