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《無限軌道で動くダイソン初のサイクロンロボット掃除機》

ダイソンはロボット掃除機「dyson 360 Eye」を発表しました。

集じん方式は「Radial Root Cyclone(ラジアルルートサイクロン)テクノロジー」を搭載。底面に機体幅の「モーター駆動ブラシバー」を備えています。アルゴリズムはカメラを利用する「360°ビジョンシステム」、走行には「ベルト駆動式転輪」を採用しています。

本体サイズは高さ約120ミリ*幅242ミリ*奥行230ミリ。製品質量は2.37キロ。充電時間は約2時間。使用時間は約20分です。本体カラーは「ニッケル/ブルー」「ニッケル/フューシャ」の2色が用意されています。

→ ダイソン 360 Eye RB01の比較と評価(2015年10月23日発売)

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ダイソン 360 Eye ロボット掃除機の概要

「dyson 360 Eye(ダイソン スリーシックスティ アイ)」の特徴は、個性的な「アルゴリズム」「集塵方式」です。

ロボット掃除機の行動を決定するアルゴリズムは「360°ビジョンシステム」と名付けられています。これは「パノラマレンズ」で部屋全体(360度)を見回して特徴を把握。「三角法」で自分の位置を特定しながら、室内を「3メートル四方の格子状」に分割して掃除を行うというものです。

具体的には「ライブビジョンカメラ」を使用して1秒間に30枚の画像を撮影。撮影した画像から、壁・インテリア・部屋の角などの部屋の特徴を把握します。次に現在位置の確認とマッピング(地図化)の同時処理を行う「SLAM テクノロジー」により、室内の「パノラマビュー」が作成されます。これにより現在地を把握しながら効率的に走行します。

集じん方式は、ダイソンの特許技術である「Radial Root Cyclone(ラジアルルートサイクロン)テクノロジー」です。8気筒の「小型サイクロン」を放射状に搭載しており、旋回気流による「遠心力」でゴミと空気を分離します。また毎分最大78,000回転の「ダイソン デジタルモーター V2(DDM)」を搭載。強力な吸引力を実現しています。

底面には本体と同じ幅の「クリーナーヘッド」を内蔵。回転ブラシには、静電気の発生を抑えるフローリング用の「カーボンファイバーブラシ」とカーペット用の「硬いナイロンブラシ」を採用しています。回転ブラシと吸込口は一体となっており、一般的な掃除機と同様にゴミをかきこみながら吸い取る方式となっています。

走行にはブルドーザーや戦車の履帯(キャタピラー)に似た「ベルト駆動式転輪」を採用しています。これはどんな種類の床でもスピードと方向を制御して障害物をスムーズに乗り越える効果があります。

掃除が終了すると「充電ドック」に戻り自動的に充電を開始します。バッテリーは「リチウムイオンバッテリー」を採用しています。充電時間2時間使用時間20分です。

「ダイソン 360 Eye」はスマートフォンやタブレットとの連携機能を備えています。「Dyson Linkアプリ」を使用するとタッチ操作で指示を出したりスケジュール予約が可能です。また外出先から掃除の進行状況や結果を確認可能です。さらに「Dyson Link」を通じて「メーカー保証の登録(2年間)」「ファームウェアの自動アップデート」を行うことができます。

ダイソン 360 Eye ロボット掃除機についての感想

「ダイソン 360 Eye」は、メリット・デメリットも含めて非常にユニークな製品です。

まず考えられるメリットですが、他のロボット掃除機を凌駕する「吸引力」が挙げられます。

ルンバをはじめとする現在のロボットクリーナーは大半がゴミをかきとる方式であり、吸引はあくまで細かいホコリに対応するためのサポート的な機能となっています。

しかし「ダイソン 360 Eye」が搭載する集じん方式は、ダイソン製のキャニスター型掃除機やスティック型掃除機にも搭載される本格的な「サイクロン方式」です。

遠心分離を行う「小型サイクロン」の数は8気筒なので、他のダイソン製品に比べると少ないのですが、それでも0.5マイクロメートル以上のゴミを空気と分離可能だそうです。

さらにモーター保護用のフィルターは「HEPAフィルター」であり、クリーンな排気を実現しています。また吸込仕事率は「20W」に達するとされています。

次にメリットとなるのが、走行システムに車輪ではなく「無限軌道(クローラー)」を採用したことです。

現在のロボット掃除機は段差を乗り越える能力が低く、最も高い性能を持つルンバでも約2センチが限界でした。しかし「ダイソン 360 Eye」が採用した「ベルト駆動式転輪」であれば、それ以上の段差でも乗り越え可能になると思います(公式発表によると最大15mmだそうです)

しかし気になる点もいくつか見られます。まず真っ先に目につくのは「サイドブラシ」がないことです。

ダイソン創業者のジェームス・ダイソン氏は「サイドブラシは微細なゴミをまき散らすだけだ」と述べているそうですが、他社のサイドブラシがないロボット掃除機が壁際のゴミを取り残していることを考えると、いずれ何らかの対策が必要になると思われます。

次に気になるのは稼働時間が「約20分」と極端に短いことです。

他社製品は、掃除時間を長くすることによって吸引力の弱さをカバーしているのですが、サイクロン方式の「ダイソン 360 Eye」には必要ないということなのでしょうか。それにしてもたったの20分では、可動範囲をあまり大きくできないように思えます。

また円錐型の小型サイクロンを収めるために、全高が12センチと非常に高いのも気になります。この高さではベッドやソファーの下を掃除しにくいのではないでしょうか。

ダイソン製品に共通する弱点としては運転音の大きさが挙げられます。運転音の数値は公表されていませんが、サイクロンシステムを搭載する以上「ダイソン 360 Eye」も「うるさいロボット掃除機」である可能性は高そうです。

最後に気になるのが価格です。ダイソン製品は高性能かつ高価格が特徴であり、これまでの経緯を考えると販売価格は最低でも10万円以上になると予想されます。

世界初の家庭用ロボット掃除機である「トリロバイト」は、20万円以上の販売価格を設定したため安価なルンバに負けて消えていった経緯があります。アーリーアダプターだけが喜ぶ「ガジェット(gadget)」にならないよう、価格設定は慎重にお願いしたいところです。

ちなみに、これまでダイソンの新製品は発表と同時に販売がスタートするというのが恒例でしたが、今回の「ダイソン 360 Eye」は異例の発表のみとなっています。

砂埃や小石が多い海外の住宅と、綿埃や髪の毛が多い日本の住宅では、掃除環境そのものが全く異なるので、さすがのダイソンも「ダイソン 360 Eye」を日本市場向けにカスタマイズしたいのかもしれませんね。

いずれにせよ「ルンバ1強」状態が続いている日本のロボット掃除機市場が変化する節目になりそうです。そういう意味でも「ダイソン 360 Eye」は注目すべき新製品と言えるでしょう。

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