「東芝 スマーボ VC-RB100(Toshiba Smarbo VC-RB100)」は、2011年10月に東芝が発売したロボット掃除機です。
2つのCPUを搭載。カメラと38個のセンサーで室内を判断しながら、壁や家具への接触を抑え効率良く掃除するのが特徴。約52dBの運転音もセールスポイントです。
後継機種は「東芝 スマーボ VC-RB6000」です(2012年11月発売)
目次
製品情報
【ムダなく、かしこく、美しく】TOSHIBA Smarbo(スマーボ) スマートロボットクリーナー プラチナブルー VC-RB100(L) VC-RB100(L)
「スマーボ VC-RB100」は、東芝のグループ企業である東芝ホームアプライアンス株式会社が販売するロボット掃除機です。
東芝は、2002年に”Electrolux by TOSHIBA”シリーズという形で、スウェーデンの家電メーカーElectrolux社のロボット掃除機「トリロバイト」を発売しています。しかし実売価格29万円前後と高額だったこともあり、販売不振のためロボット掃除機市場から撤退しています。
9年ぶりの再参入となった「スマーボ VC-RB100」は、韓国サムスン電子(Samsung)のロボット掃除機「NaviBot」をベースにしたOEM製品という形で登場しました。
スマーボは、掃除中に「マッピング(Mapping)」と呼ばれる地図作成を行います。これには本体の前方に搭載された小型CCDカメラが利用されます。スマーボは移動中に秒間30枚の速度で天井・壁を撮影します。この情報を元に現在位置を把握し、掃除が終わった場所を判断しています。これによりスマーボは短時間で効率よく掃除を行います。
「スマーボ VC-RB100」本体以外に、バッテリー、バーチャルガード2個、モップ2枚、フィルター1個、お手入れブラシ1個が付属します。
レビュー・評価
長所
スマーボは世界的な家電メーカーの製品らしく「衝突の抑制」と「運転音」にこだわりが見られる製品です。
カメラとセンサーで室内の形状を把握し、ルートを記憶しながら掃除を行うので、何度も同じ場所を通過することがなく、結果として掃除を短時間で効率よく行えるとメーカーはアピールしています。またサイドブラシを左右に2個搭載しているのも特徴です。お掃除ロボットの弱点は壁際や隅の掃除ですが、これによりある程度対応できていると思います。
スマーボの長所は「運転音が静か」「掃除時間が短い」「壁や家具への衝突が少ない」などが挙げられます。特に運転音については約52dBとかなり抑えられており、掃除中はテレビの音が聞こえなくなるルンバ(運転音は約58dB)に比べると圧倒的な静音化を実現しています。またスマーボはカメラとセンサーによって掃除範囲を把握して、通過したルートを記憶しながら掃除を行うので、ルンバのように何度も同じ場所を掃除することがなく、結果として短時間で掃除が終わり騒音の発生も抑えられています。
以上の点から、部屋に常に人がいるような環境で利用する場合は、ルンバよりスマーボのほうが向いていると言えるでしょう。音声ガイドやアラーム音が豊富なのでロボット掃除機に慣れない子どもやお年寄りにも優しい設計です。
※参考資料として海外版ルンバ(Roomba 555)と海外版スマーボ(Samsung NaviBot)の走行ルートを比較した動画を紹介します。ランダムに近い動きで何度も同じ場所を通過するルンバと、直線的な動作により短時間で掃除を行うスマーボの違いがよく分かると思います。
短所
スマーボの長所として「壁や家具への衝突が少ない」ことを挙げましたが、壁際まで接近しない仕様なので、他社のロボット掃除機よりも壁際や隅のホコリを取り除くのが苦手との評価があります。
当然メーカー側もその点については認識しており、お掃除モードを「かべぎわモード」に設定することで壁際まで接近して掃除するように変更できますが、このあたりは日本向けにチューニングして欲しいところです。
スマーボは掃除したルートを記憶するので何度も同じ場所を通過することがなく、結果として短時間で効率よく掃除を行います。これは逆の見方をすれば、十分にゴミを取り切れていなくても同じ場所を掃除しないということになります。
この点については、同じ場所を何度もしつこく通過するルンバのほうが結果としてゴミを取りきれる可能性が高くなります。
バッテリーやフィルターなどの消耗品が市販されていないため、現状では東芝のサポートセンターに依頼して交換してもらうしかなく、消耗品を安価に入手できるルンバに比べると大きな短所となっています。プラチナブルーのみのボディカラーはインテリアによっては合わせにくく高価なデザイン家電として配慮に欠ける印象です。
ルンバ780との比較
スマーボは「ルンバ780」より掃除中の騒音が小さく静かなので、常に人がいる環境で使用する場合はルンバ780よりスマーボのほうが適していると思います。
またルンバ780には「ライトハウス機能」という複数の部屋を一定時間ずつ掃除させる機能が搭載されています。残念ながらスマーボには「ライトハウス機能」に該当する機能がないので同じ動作はできません。
しかし掃除する部屋のドアを開けたままにするなど、部屋と部屋をスマーボが自由に移動できる状態にしておけば、全体を「1つの部屋」と認識してスマーボは掃除を行うので大きな問題にはならないと思います。
ホームボット2.0との比較
「Smarbo VC-RB100」と「HOM-BOT2.0」は、どちらも韓国の家電メーカーが作ったロボット掃除機なので特徴も似ています。
運転音に関してはスマーボの約52dBに対してホームボット2.0は約48dbと発表されています。静かさに関してはホームボット2.0に軍配が上がるでしょう。
さらにスマーボのバッテリーはニッケル水素電池ですが、ホームボット2.0は継ぎ足し充電に強いリチウムイオン電池を採用しています。バッテリー寿命が長いのはコスト削減につながるのでこの点についてもホームボット2.0の方が有利だと思います。
しかし購入後の修理・サポートは、東芝のノウハウが活かされるスマーボのほうが安心感があります。LGエレクトロニクスの日本でのサポート体制はまだ発展途上にあると思われます。
主要機能一覧
※メーカーにより機能の名称は異なります。
※機能の詳しい解説は「お掃除ロボットの主な機能について」をご覧下さい。
人工知能 | ◯ | ゴミ検知機能 | × |
---|---|---|---|
サイドブラシ | ◯ | 拭き掃除機能 | ◯ |
床ブラシ | ◯ | 自動充電機能 | ◯ |
バキューム機能 | ◯ | スケジュール機能 | ◯ |
衝突防止機能 | ◯ | バーチャルウォール機能 | ◯ |
落下防止機能 | ◯ | ライトハウス機能 | × |
からまり防止機能 | ◯ | リモコン操作機能 | ◯ |
製品仕様
発売年月 | 2011年10月 |
---|---|
メーカー | 東芝 |
型番 | VC-RB100(L)(プラチナブルー) |
本体寸法 | 幅35.5センチx奥行き35.5センチx高さ9.3センチ |
本体質量 | 3.7キロ |
電源 | 交流100V 50Hz-60Hz共用 |
バッテリー種類 | 充電式ニッケル水素電池 |
バッテリー容量 | 14.4V 2,000mAh セル数:12 |
バッテリー寿命 | 約1年 |
充電時間 | 約120分 |
消費電力 | 40W |
稼働時間 | 約90分 |
掃除面積 | – |
運転音 | 約52dB |
集塵容積 | 0.6リットル |
フィルター | – |
乗り越え能力 | 約1.5センチ |