人工知能とアルゴリズムに加えて「集塵方式」も、ロボット掃除機の掃除性能を左右する大きな要素です。少しでも掃除性能を高めるために、ロボット掃除機メーカーは独自の工夫を凝らしたクリーニングシステムを開発しています。
一般的に「サイドブラシ」と「床ブラシ」の種類が多いとゴミの取り残しが少なくなり綺麗になります。しかし構造が複雑になり消耗品も増えることから、安価なロボットクリーナーの多くは「サイドブラシ+吸引」方式を採用しています。
目次
吸引のみ
底面にある吸込口からバキューム吸引でゴミを吸い取る方式です。サイドブラシを搭載しないため、壁際や隅のゴミを取り除くのは苦手としています。
- ロボマックス(ベルソス)
サイドブラシ+吸引
壁際・コーナーのゴミを前方にかき出す「サイドブラシ」とバキューム吸引を組み合わせたタイプです。吸引のみの製品より集じん力が高まっています。しかしフローリングのように平らな床は問題ありませんが、「床ブラシ」がないので絨毯・カーペット等の毛足の長い床は不得意です。1万円以下の小型ロボット掃除機に採用されることが多い方式です。
- ロボットクリーナー(ツカモトエイム)
- ラクリート(シー・シー・ピー)
- E-CLEAN EC MINI(AGAiT)
サイドブラシ+床ブラシ(1種類)+吸引
現在のロボット掃除機で最も多く採用される集じん方式です。前方のサイドブラシでゴミをかき出しながら、床ブラシでゴミをかき取り吸引します。通常の掃除機と同じ形の回転ブラシが床面を撫でるので、毛足の奥に入り込んだゴミを取り除きやすくなっています。さらに掃除性能を高めるために、サイドブラシを左右に2個搭載する機種や、ブラシ部分に異なる素材を組み合わせた製品もあります。
- ココロボ(シャープ)
- トルネオロボ(東芝)
- スマーボ(東芝)
- ホームボット(LG電子)
- コーボルト(フォアベルク)
- クレモン(モニュエル)
- ポロ(マミロボット)
- ロボクリーナー(ANABAS)
- ロボクリーナー(山善)
- E-CLEAN EC01E(AGAiT)
サイドブラシ+床ブラシ(2種類)+吸引
ルンバが採用する「デュアルパワーブラシ」と呼ばれる掃除システムです。サイドブラシの他に「フローリング用ブラシ」と「カーペット用ブラシ」を2種類搭載しています。また床ブラシ全体が上下に動くようになっており、床の状況に合わせて角度を変化させるため、密着度が高まっています。
ルンバ500シリーズ・600シリーズは、「密着ワイパー型吸引口」と呼ばれる幅1ミリの吸込口があり、床ブラシでかき取れなかった微細なチリを吸引する仕組みとなっています。ルンバ700シリーズは、デュアルパワーブラシから直接ゴミを吸引する「エアロバキュ(AeroVac)」方式に改良されました。
- ルンバ(アイロボット)
- ロボットクリーナー(ニトリ)
- クリーンスター(アテックス)
- ファルティマ(ガイズ)
余談ですが、ニトリロボットクリーナー、クリーンスター、ファルティマに関しては、ルンバにそっくりな掃除システムを搭載しているため、特許関係をどのようにクリアしているのか気になります。